cynicalmoon’s blog

最近ハマっている子供服の個人輸入や乱読している本の感想など。

最近読んだ本の覚書(ネタバレあり):「高校事変」「少女葬」編

 「高校事変」松岡圭祐:著 角川文庫:刊  

★★★★

久々に松岡圭祐の新刊が出ていました。あらすじを読むと”テロリストが高校を占拠”とあり、あんまり興味がそそられませんでしたが、ほかに読む本もなく、とりあえず買ってみました😅

すると、なんと意外と(失礼)面白くて、その日のうちに読んでしまいました。

 

平成最大のテロ事件を起こした半グレ集団のリーダー、優莉匡太の娘、優莉結衣。彼女の通う公立高校に突如として武装集団が突入し、学校が阿鼻叫喚の図に。

描写はかなりえぐいです。これまでの松岡圭祐の本では人が死ぬことはほとんどなかったので、ギャップに驚きました。

主人公の結衣がいい人なのか悪い人なのか、ひとすじなわではいかないのもポイントですね。共感出来る部分もあれば、そうじゃない部分もあり。

これまでの松岡圭祐の小説の主人公は、万能鑑定士の凜田莉子にしろ、特等添乗員の浅倉絢奈にしろ、水鏡推理の水鏡瑞希にしろ、基本いい人だったので、共感もしやすかった気がします。

優莉結衣はどちらかと言えば、探偵の探偵の紗崎玲奈に近く、更にパワーアップしたような感じです。

 

状況設定は荒唐無稽とも思いますが、随所に時事ネタや社会への風刺?などがあり、読み応えはありました。残念なのは、作中に頻出する映画を私がことごとく観ていないことです…。

 

真犯人は意外な人で驚きましたが、武装集団達の意図はイマイチ掴めませんでした。結局はカネ、なのでしょうか。

 

再来月には続編が出るようなので、マストバイです。

 

「少女葬」   櫛木理宇:著 新潮文庫:刊

★★★★

 

この著者はこれまで知らず、初めて読みました。

こちらも酷くリアルで残虐な描写が多々あります😭「高校事変」とは違い、状況設定は今の世の中を反映していると思います。ルポタージュとしてもおかしくはありません。

初っ端から集団リンチで死んだ女子高生の話しで、そこで読むのを止めようかと思いましたが、そこを突破するとグイグイ引き込まれていきます。それでも読んでいて辛いのには変わりがありませんが…。

リンチで死んでしまった女の子と主人公は共に訳ありのシェアハウスで暮らし、友情を育みます。2人とも問題ありの家族から逃げ出してきた状況は同じです。ですが、いつの間にかすれ違いが起こり、2人の運命は異なる方向に向かいます。主人公は幸せを掴み、もう一人は残酷な最期を迎えます。

何が一体2人の運命を分けたのか。

そもそもの性格なのか、教育なのか。「貧困ビジネス」や「いじめ」がはびこる社会が悪いのか。

子を持つ親としては色々考えさせられました…。

 

 

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