「高校事変Ⅷ」 著:松岡圭祐 刊:角川文庫
高校事変シリーズ、第8弾です。
今回はこれまでのメンバー勢揃い、敵味方入り乱れての頂上決戦です。
結衣によって追い詰められた田代槇人が、田代ファミリーの手先全てに結衣の首に懸賞金をかけました。狩りのスタートは午前零時きっかり。
清墨学園で死闘を繰り広げたパグェをはじめとする田代ファミリーが集結して結衣を追い詰めようとしますが、実は田代槇人は皆が一同に集まった時に、味方もろとも原子爆弾で吹っ飛ばす計画を立てていたのです。
最終的には結衣の味方がどんどん増えて、原子爆弾も不発させることに成功しました。
遂に田代槇人を倒しましたが、勇次は逃げおおせたようです。
おそらく10冊でシリーズは終わるのではないかと思いますが、次回は勇次との対決だと思います。
最終回はどうなるのでしょうか。
楽しみです。
「ダークナンバー」 著:長沢樹 刊:早川書房
初めての読む作家です。
主人公が女性2人の手に汗握るミステリーでした。
1人は警察庁の準キャリアで分析官の渡瀬敦子、もう1人は放送局の敏腕記者、土方玲子。
2人は中学の同級生で浅からぬ因縁がありました。
メインストーリーは東京の連続放火事件と埼玉の連続窃盗事件の捜査とそれをめぐる報道です。
その合間に犯人の過去やモノローグが挟まり、敦子と玲子の過去の事件も絡まり、謎がふくらんでいきます。
スリリングな展開に合わせて、2人の過去も判明します。また犯人の動機、背景も興味深かったです。唯一、犯人とその周辺の人々が、その後がどうなったのかが気になりましたが。
個人的に好きなのは、玲子でした。
「成り上がる」ためにエネルギー全開ではっちゃける。パワフルな女子を演出していますが、内側に秘めた思いは悲惨な過去が原動力となっています。
自分を極限まで追い詰める感じに、ただただ感服です。