「最後の証人」 柚月裕子:著 角川文庫:刊
またまた古い本を読みました😅
夫オススメだったので、読んだのですが、序盤で叙述トリック?的なものはわかり、なあんだ、と落胆しました。
でも、それはメインテーマではなかったんですね・・・。
本当の読みどころは全く別のところにありました。
うっかり騙されました。
主人公は元検事で、現在は弁護士の佐方貞人。
今回の案件は、不倫カップルが一方を刺殺した容疑の裁判でした。
佐方は地方に出張までして、依頼人のために裁判で無罪を勝ち取ります。
しかし、それは皮肉にも依頼人の過去の罪を暴くことになりました。
むしろ、佐方はそちらに重きを置いていたのです。
佐方のモットーは、
「罪はまっとうに裁かれなければならない」
です。
今回の殺人事件では依頼人は無実でした。
復讐のために仕組まれた罠にハマったのでした。
佐方は、その原因を作った依頼人の過去の罪を暴き、そのことで罪を償うべきだと考えていたのです。
復讐話は子供がいる身としては、悲しく辛いものがありました。
「検事の本懐」 柚月裕子:著 角川文庫:刊
前作が面白く、佐方シリーズ第二弾を読むことに。
なんと、時代がぐ〜んと遡って、佐方貞人がまだ20代で検事をしている頃のお話です。
前作の舞台となった架空の地方都市、米崎市(おそらく新潟あたりのイメージ)で検事を務めている佐方。
短編ですが、どれも味わい深いお話です。
特にラストのお話は涙なしには読めませんでした。
佐方の父親・佐方陽世は弁護士でした。
しかし、顧問弁護士を務めていた会社(しかも社長は自分の命の恩人)の金を横領し、服役、出所前に病気で亡くなりました。
その昔の事件を調べ始めたフリーライターの兼先。しつこく取材する兼先は、遂に事実を突き止めますが、そこには悲しくも素晴らしい真実が隠されていました…。
「検事の死命」 柚月裕子:著 角川文庫:刊
シリーズ第三弾です。
ようやく、父親の陽世の事件の真相が皆に明らかにされます。
家族や近所の人々にとってはとても良かったと思います。
真実を知っていた佐方自身は嬉しいような、父の思いに背いたかのような複雑な心境のようですが。
私は文句なしに良かったと思いました。
「検事の信義」柚月裕子:著 角川文庫:刊
続きが気になる!と、まだ文庫化されていませんでしたが、単行本で最新刊もGET!
期待に違わず、ぐいぐい読ませました。
全巻に共通するのが、語りが検事補佐官だったり、刑事だったり、と第三者目線です。
佐方の心情は詳しくは語られません。そこがまた良いと思います。
そして一巻に一回は涙腺崩壊します!
まだシリーズは続くようなので、期待して待ちたいと思います!